湧き水を守る活動

湧き水を活用した特徴的な学習

子どもによる地域の湧き水学習

大垣市内の小学校で使用されているふるさと大垣科の教科書には、大垣が、古くから「水の都」「水都」と呼ばれていることが紹介されています。
また、実際に市内にある自噴水を訪れ、自噴水の仕組みを学習する学校もあります。

加賀野名水を見学した小学生の声(小学5年生)

  • 今日、自噴水を飲んで水道水は消毒みたいな味がしてあまり好きじゃないけど、自噴水にはその味がなくてとても美味しかったです。
    実験をしたとき、ペットボトルを上にあげるほど水の出る勢いが強いことから、高い所から来た地下水ほど水の出る勢いが強いことが分かったし、2個目の実験を家でもしたいと思いました。
  • ぼくは、水のことについて、たくさん知ることができました。
    水の実験や、歴史についての分かりやすい説明を聞いて、大垣の水のことを知りました。特に、水が冷たくて、水道水よりもおいしかったし、ハリヨは絶めつきぐ種なので、大切にしたいと思いました。
    あと、きれいな水があるからこそ、ハリヨが住んでいたり、おいしい水が飲めるんだなあと思いました。
    これからは、川を守るために、ゴミ拾いなどをしたいと思いました。
  • 水のいろいろなことについて教えてくださってありがとうございました。
    加賀野名水保存会のみなさまのおかげで、ハリヨや水にもっと興味を持てたし、自噴水がどのように湧き出してくるかが分かりました。
    私も加賀野の水を守る取り組みを手伝いたいです。

校内での湧き水学習

小野小学校では、学校内に湧水を活用したビオトープがあり、1年間通してホタルの保護活動を行っています。
4年生がホタルの飼育や保護活動の発信をする活動を行っており、毎年次の学年に引き継がれています。
ホタルの飼育を通してふるさとに愛着を持ち、環境を良くしようという心が育っています。

大垣市の昆虫 ホタル(大垣市)

団体での保全活動

加賀野八幡神社名水井戸保存会

昭和61年 (1986) 7月 保存会設立しました。
平成元年 (1989) 「ハリヨ」放流に伴って、「ハリヨ」池の整備をはじめとして「ハリヨ」の保護育成に努めています。
平成15年 (2003) 「ホタル」の保護育成に着手し、ホタルの育成とその生息環境づくりに貢献しました。
「名水保全」「ハリヨ」「ホタル」の保護育成を通して、地域の子どもたち、小中学校と交流し、子どもたちの環境学習、環境教育も行っています。
加賀野名水保存会や地元自治会を核に毎月第1、第3土曜日に名水井戸内及びその周辺の清掃活動を行い、名水井戸及びハリヨ池等の水環境を保全しています。
このような活動により、平成17年 (2005) に環境大臣表彰を受賞しています。

西之川ハリヨ保存会

西之川町のハリヨ生息地は、昭和40年 (1965) 7月に大垣市教育委員会から市の天然記念物、9月には県の天然記念物の指定を受けました。そして同年、町民有志により「西之川ハリヨ保存会」が設立され、生息水路の環境整備やハリヨの保護を行ってきました。
「ハリヨ池広場」は、大垣市がハリヨの保護と市民の学習の場、憩いの場とするため、平成9年度 (1997) に水路から水を引き込む池を中心に整備しました。
広場は広さ約950平方メートル、うち池は約240平方メートルです。コンクリートなどの使用は抑え、石や樹木を配置してなるべく生態系に影響を与えないように配慮しています。
保存会では、池のハリヨの個体数や水温管理などの観測をする一方、毎年5月と10月の全市一斉クリーン活動日に、地元子ども会と協働でハリヨの広場の除草や清掃作業を行うほか、7月末に「ハリンコ祭り」を開催しています。ザリガニ釣りや金魚すくい、ハリヨの学習会を行っています。
さらに、地元の小学校や中学校の要請でハリヨの生態について説明する学習会にも出かけるなど、町ぐるみ、校区ぐるみの保護・保存活動にも力を入れています。

曽根町ハリヨ・ホタル保存会

昭和50年 (1975) に「曽根町ハリヨを守る会」として発足後、40年近くにわたって曽根城公園内のハリヨ池を中心に環境保護活動を実施しています。
平成24年 (2012) には、「曽根町ハリヨ・ホタル保存会」に会の名称を変更し、さらに活動の幅を広げています。
クリーン活動の日に合わせて、子どもと保護者、保存会委員等で「ハリヨの池」のアオミドロを清掃しています。

矢道町ハリヨ等保存会

平成27年 (2015) 5月11日 ハリヨ等保存会を結成しました。
同年7月4日岐阜経済大学森誠一教授と大垣市教育委員会と連携し矢道川のハリヨ捕獲活動を実施しました。
結果ハリヨの個体数が激減していることがわかり、翌年ハリヨの放流を実施しました。
平成28年から、ハリヨの池の清掃と草刈り年2, 3回、もんどり設置による雑魚捕獲活動、子ども会を中心に森教授による学習会等を実施しながらハリヨの見守りを保存会で行っています。
池の渇水などに見舞われたこともありましたが、今では目視で多くのハリヨが見られるようになりました。